インデックス投資家のブログを読んでいると以下の本を推薦されていますね。今回はこれを読んでみました。ちなみにJREポイントで購入したので、持ち出しはゼロです。
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 | バートン・マルキール, 井手 正介 |本 | 通販 | Amazon
前半〜中盤まで 歴史は繰り返す
歴史、バブルは繰り返されてきたことをこんこんと記述されています。オランダのチューリップバブルからサブプライムローンまで書かれており、非常に退屈なのですが、バブルに巻き込まれないための戒めを与えてくれます。その中でいくつか取り上げます。
IPO(新規公開株)の熱狂
身に覚えがあり、耳が痛いです。以前日本株のIPOを2年間毎回申込んでいました。ソフトバンク以外当たらなくて、やめてしまいました。IPO用に100万円をキャッシュで保持していたのですが、普通に楽天VTIを買っておいた方がリターンは高かったですね。。ちなみに日本マーケットでは現在もIPOは当選すれば高確率で儲けられます。コロナショック時は上場延期、発行しても公募割れが生じていましたが、現在は回復しています。
中盤 様々な投資手法について
中盤ではテクニカル分析やファンダメンタル手法を取り上げています。コインの表裏ゲームを引き合いに出して、不確実性を説いています。どの様な手法でも平均値を上回ることは確率的には可能で、コインの表だけを延々と出し続けることは理論上可能というわけです。
ただかなり低確率であり、過去のデータは現在から未来までの結果との因果関係はありません。
テクニカル分析は「過去のチャートの動きは未来にも当てはまる」旨もありますが、過去の実績が確実に現在〜未来の値動きに当てはまる証拠は提示されていないと言っています。
ダウの犬
この投資方法は以前注目していました。やり方は以下です。
・STEP1:ダウ工業株30種の中で配当の高い銘柄を上から順に選ぶ。
・STEP2:上から5〜10銘柄を均等に買ってポートフォリオを組む。
・STEP3:配当金は再投資する
・STEP4:年度末に銘柄を見直してリバランスする
引用元
市場平均より上回ることもある(100%ではない)、手法という位置付けです。売買コストとアウトパフォーム(インデックスより上回る)との兼ね合いですね。楽天VTIのバイアンドホールドの方が楽で確実と私は感じます。
中盤〜終盤
中盤〜終盤もあらゆる手法について言及していますが、首尾一貫して「過去の傾向から確実な未来を導き出すことは不可能」という結論になっています。最近出てきた「行動ファイナンス」にも触れています。
投資の世界にはありとあらゆる手法がありますが、全て「未来を確実に描くことは不可能、予想もしなかったことが起こる」と。夢を打ち砕いていきます。。
最終盤(ポートフォリオ)
ここに来て年齢別の参考ポートフォリオが掲載されています。この辺を読んで「なるほど」
と思った点を挙げます。
- ポートフォリオの柱はインデックスファンドが良い
投資銘柄が分散されるため、リスクが抑えられる。 - 頻繁に売買すると手数料のせいでパフォーマンスが下がるので、売買は控えた方が良い
- 国際分散投資が大事
一点勝負は避けるべき。アメリカは今まで好調だったが新興国もそこそこ伸びると予想される - 不動産や債券も組み入れて安定性を確保すると良い
不動産は自宅購入もしくは、REITでも良い。債券は国債でもいいし、債券ETFでも良い。 - 保険も入っていた方が良い
1,2について、株価はランダムに動くし、売買をするとパフォーマンスが下がるので、インデックスを買ってそのまま保持しておけば税金を払わなくて済むのが良いとのことです。インデックスファンドを買って保持が一番いいということですね。
3,4は私の考えと違いますね。私はリスク資産は楽天VTI(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)一点張りです。以下記事参照。
また国際分散が重要とありますが、全世界系のインデックスファンドの組み入れ国を見ると半分以上が米国なので「だったら、国際分散する意味がない」と思って、楽天VTIだけに投資することにしました。「未来はどうなるかわからないよ、アメリカだって盤石とは言い切れないよ」と記載されており、少し考えが変わりました。リスク資産が1000万円を超えたら、分散投資も視野に入れようと思います。
加えて4の不動産と債券についてですが、ウェルスナビのポートフォリオと一緒だと思いました。ウェルスナビは積極運用を選んでも必ずリスクオフ資産(ETF)が組み入れられています。具体的にいうと、IYR(米国REIT)、GLD(金)、AGG(債券)です。GLDは読み終わった今でも不要だと感じますが、何を組み入れて安定性を持たせるからは好みですね。
5については結構意外で、こういう投資本には言及されていないことが多いのですが、病気や怪我に備えることが必要と説いています。特に収入源が1カ所の場合は気をつけるべきと。
サラリーマンは社会保険が充実してるので、最低限でいい気がします。
読み終わって
投資に楽な道はなし、地道にいくべしを学ばせてくれる本です。あらゆる手法を打ち砕き、歴史はバブルとバブル後を教えてくれます。楽して大儲け系の投資本はもう買わないと思います。そういう意味では費用対効果が高いですね。
この本は中盤からはデータ分析により理詰めで夢を打ち砕いていくので、読み進めるのがツライですw。ボリュームもかなりあるので(500ページくらい?)、時間がかかります。図書館で借りた場合は頑張って読まないと読みきれないと思います。