米国、日本にはロボアドバイザーというものがあり、以前私はこれらに少額ですが投資していました。日本は後発組です。日本発のロボアドバイザーを使ってみた経験(失敗)からの学びを書きたいと思います。
そもそもロボアドバイザーとは
自分の代わりに投資をしてくれるものです。例えば30万を振り込むとその30万円でETFを買ってくれます。同時にポートフォリオも組んでくれます。株式ETF、債券ETF、不動産ETFなどを組み合わせてくれるわけです。自分がやってみたのはETFを売買するロボアドバイザーでした。
投資してみたロボアドバイザー
実際に投資したのはウェルスナビ for SBI証券とTHEO(テオ) for SBI証券です。ウェルスナビが預かり総額が一番で現在ロボアドバイザー業界のトップランナーです。この2つにした理由は単純にその時のメイン証券のSBI証券から始められて、かつ投資熱が高く試してみたかっただけです。中身はあまり気にしてませんでした。新しい投資サービスということもあり、ググっても悪い情報が出てきませんでした。
ウェルスナビ
こちらは本家ウェルスナビのHPです。本家というのは、ウェルスナビ は色々な金融機関と提携しているため、差別化するために本家と言っています。
銀行や証券会社、JALやANAがありますね。私が始めた頃よりも提携先が増えて、選択肢が増えています。マイルも貯められます。最小投資額が概ね10万円ですが、ネオモバイルだけ1万円から開始できます。あと一部の金融機関でマメタスが利用できます。長期割引があり、1%から0.9%に減額されるのも良いところですね。
THEO
THEOもウェルスナビと同様にロボアドバイザーで自動リバランスしてくれるサービスです。
ただ手数料は投資額によって徐々に軽減されていきます。ウェルスナビよりも手数料が安くしやすいですね。
ポートフォリオは上記の3つカテゴリーを組み合わせて値動きをマイルドにし、安定的に長期でリターンを狙います。またウェルスナビには及びませんが、いくつか提携しています。ドコモやJAL、地方銀行と提携しています。
他にも色々あるのですが、投資したのがこの2つだけなので、割愛します。
ロボアドバイザーの良い点
まずはロボアドバイザーの良いところを見ていきます。
ポートフォリオ も自動
ポートフォリオは安定性重視、積極的などアンケートに応えると自動で組んでくれます。ポートフォリオは後で変更可能です。積極的→安定重視などが可能です。
リバランスの必要がない
基本的に全て自動なので、ETFの売買は自分でする必要はありません。今回のコロナショックの場合、株式ETFは下がって、債券ETFは値上がりした?はずなので、「債券を売って株式を買う」等も必要ありません。またウェルスナビ、THEO共に安定性を謳っているので、株式ETFに全て投資などのリスキーなポートフォリオにはならないシステムになっています。
ロボアドバイザーの気になった点
次に気になった点です。
手数料
ウェルスナビ
上記がウェルスナビの保有コストです。支払いは翌月に日割で差し引かれます。
THEO(テオ)
THEOの手数料は保有額によって優遇されます。また入出金もほぼ無料ですね。これにETFの経費が乗ってきます。
まとめ(ウェルスナビ)
全てのETFを自分で買った時にかかる手数料の合計よりもウェルスナビ の手数料が低かれば、ウェルスナビを選択するのはありですね。例として、リスク許容度を最大にしたポートフォリオを載せます。
これは無料診断(アンケート)により出てきたポートフォリオです。
VTI+VEA+VWO+AGG+GLD+IYRの経費率は合計で
0.03+0.05+0.10+0.05+0.40+0.42=1.05%
になります。これとは別に手数料は1%がかかります。この経費率はETFの運営元が差し引くのであまり意識する必要がありません。ここら辺の計算から手数料約1%を「妥当、安い、高い」のどれを感じるかが評価の分かれ目になりそうです。
対象銘柄
ウェルスナビで買われている株式ETFをちょっと見てみましょう。THEOはかなり細かくETFを保持するので、ここでは割愛させてください。私は勉強不足だったため知らないETFがかなり多いという印象でした。
VTI
右肩上がりで、期待が持てますね。
VEA
これは日欧に投資するETFです。この10年のグラフを見てます。
アップダウンはありますが、横ばい傾向ですね。
VWO
こちらもVEAと同じく、アップダウンありつつ横ばいですね。
そもそもVTI+VEA+VWO=ほぼ全てのマーケットを網羅していると言えます。だったらVTでもいいのではという疑問ありますが、3分割することにより割合を変更できるのが強みです。好きなETFを多くできるわけです。本家ウェブサイトにこのことについて、言及されていました。VTよりも3つを組み合わせた方が経費率を抑えられるため、VTI+VEA+VWOにしているそうです。
他のETFもみてみましょう。他はディフェンシブ銘柄です。
AGG(米国債券)、GLD(金)、IYR(米国不動産)と値動きは期待通りマイルドですね。
まとめ(THEO)
THEOでは無料診断からポートフォリオを出せないので、ウェルスナビのように分析はできないのですが、投資してみた経験から言うとリバランスによる売買は割と頻繁に行われており、購入銘柄も細かくなるので、手数料1%でも「まあ、妥当かな」と思っていました。自分でやると思うと、売買手数料がかさむ+管理しきれないという印象でした。
ちなみに
ウェルスナビ/THEOに逆指値による損切りはない?
ETFは株のように1つずつ売買可能なのですが、その時に買値売値を設定します。指値や成行ですね。最近?外国株でも逆指値というものができるようになりました。これは現在150$で145$になったら、成行で売る、または144.9$で売るなどです。
これをすると何が嬉しいかというと、損切りを自動でやってくれるわけですね。資産保全できるわけです。SBI証券やマネックス証券などで実装しています。
Twitterでウェルスナビを検索すると投資者の呟きを垣間見ることが出来ますが、コロナショックで損失を出しているようです。つまり逆指値で損切り→底値で買うが出来ていないようです。これはウェルスナビのコンセプトからすると当然で、長期保有すれば資産は上昇すると銘打っていますので、暴落による損切りはしない仕組みのようです。現在(2020.6.21)時点では損失はほぼ回復したよう模様です。
損切りは資産保全の点で言えば、いい面があるのですが、損切り=損失確定です。よって実装していないようですね。長期的には上昇するから売る必要なしということなのでしょう。ウェルスナビは入金時の買い付けがメインでリバランスによる売買は頻繁には行われていない気がします(あくまで体感です)。
THEOの方もコロナショックで損失を出していたようです。ウェルスナビと同様のコンセプトなので、損切りはしないみたいですね。
ウェルスナビはオープン
ウェルスナビは売買している銘柄がオープンです。
これは本家ウェルスナビから拝借してきたもので(リスク許容度最大)、私はこれらのETFを見て割とメジャーなのも相まっていろいろ調べることが出来ました。実際に全ての銘柄を購入しています。
やってみて思ったのは自分でもこのポートフォリオを比較的簡単に出来るということです。しかも経費率は自分でやれば極小です。ドルへの両替だけがちょっと調べないと出来ないですが、そこまで難しくはありません。前述の通り、売買頻度もそこまで?多くなく、基本ホールドのようです。
THEOもまずまずオープンですが、ウェルスナビほどではありません。そもそもポートフォリオを公開してしまうと私のように自分で組む人間が出てきますからね。THEOはかなり細かくETFを買うので、真似しにくです。
ロボアドバイザーから学んだこと
ロボアドバイザーに入金後に「失敗した」と思ったわけですが、失敗から学びはありました。
まとめてみます。
- どういうものかはある程度知っておくべき(投資してから調べてはいけない)
- どんなETFを買っているか→ETFの中身を調べるような人は自分で買えば良い
自分の代わりにやってくれるのがロボアドバイザー! - ポートフォリオに不満がある人、追加してほしいETFがある、または不要と思うETFが含まれている場合は自分でETFを買ってポートフォリオを組むべき
- 相対的に手数料が高いと思う人は買うべきではない
- そもそも総じて言えることだけど、色々調べられる人は探究心があり、実行力も併せ持っていると思うので、そういう人はロボアドバイザーではなく自分でやるべき。
最終的には両者ともに解約したのですが、結論に行ったのは以下の理由です。
解約後はしばらくウェルスナビ許容度最大のポートフォリオで運用してましたが、結局VTI以外は全て売りました。
2018年に解約、自力で投資をやってきましたが、未だにポートフォリオは固まっていません。日々の経験から学び、最終的には自分にあったポートフォリオに落ち着くんだと思います。現場のマイベストポートフォリオは以下の記事をご参照ください。